ぜひとも、子どもたちに読み聞かせてあげてください。
なんだろう たくさんの子どもたちが 一列に並んでいる
おや看板だ <第6回 春の満月音楽会> その入場キップを配る行列でした
タピラス村では 春と秋の満月の夜に 音楽会が開かれるのです
評判がよいので あちこちの村からも 子どもたちが集まります
みんな よい席をとりたくて 朝から並んで列ができました
疲れると列は乱れる ちょっとできた女の子たちのすき間に
見なれない2匹のタピラスが あ もぐりこんだ!
「ねえ あの人たち ずるいよ! 外からきて割り込んだ」
と 列の後ろから声が聞こえます 「ずるい! ずるい!」
でも2匹は知らん顔 体が大きく こわい顔でみんなをにらみます
見ていたタピーラが 2匹に近づいて いいました
「割り込みはいけないわ みんな順番に並んでいるのよ
あなたたちも 列のうしろに並んでください」
すると 2匹は すごい顔でタピーラを にらみつけました
「なんだよ おまえ えらそうに おれたちに命令するのかよぉ
ここんところがよ あいてたから その後ろについたんじゃねえか
並ぶんなら並ぶんで すき間なんてあけんなよ どくもんか」
タピーラは怒りました 「体が大きいからって 勝手なことをしないでよ
私たちの村はね あなたみたいに自分勝手なひとは いてほしくないの
「そうよ そうよ 自分の村におかえりなさいよ」と 女の子たち
その合唱に負けて 2匹のらんぼうものは 逃げ出していきました
「ああ こわかった タピーラちゃん ありがとう」
「でも タピーラも 強いのね」と上級生
「力を合わせれば 悪さは防げるって 先生がいってるじゃない」
タピーラは ほほえみながらいいました
ほんとうは 自分もちょっぴりこわかったのですが